Yhoji(Yamamoto)を幼児と勘違いして話に入ってしまった陰キャラの話その1

 私はその日も例によって一人で真昼の大学構内を彷徨っていた。単独で昼食を摂るのに相応しい人通りが少なく落ち着いた場所を探すためである。本来であればお気に入りの構内にある森林の脇にひっそりと身を潜める3人掛けのベンチへ近所のパン屋の一番安いミルクロックとお水を携えて向かいたい所ではあるが生憎世は初夏真っ只中である。こんな日にわざわざ蒸暑さを極める木陰で昼飯を食べる馬鹿はいないだろう。まぁ居るとしたら私くらいなのだがこの大学一の戯けである私ですらそこでのランチを遠慮するくらいの灼熱であった。私は気候にランチスペースを奪われて文字通り路頭に迷っていた。それは私の青春のように。またその時不意に感じるひとりぼっちであることへの寂しさで膨大な空虚に陥った。私にも話が合う友人が一人でも居ればもう少しマシなキャンパスライフを送れていたんだろうなぁ。仮に友達が居ればそこから輪が広がっていただろうし、仮に友達の輪が広がっていればごく自然の流れとして男女交際が成就し今頃桃色に塗れた淫らな青春を謳歌していたに違いない。そんな風にして私が世界一無意味な仮定を重ねて彷徨っていると私の後背のグループの会話が聞こえてきた。それは声から察するに男3人組であった。

「やっぱヨウジって最高だよなぁ」

「まぁヨウジはいいよな」

「俺もユーキの影響でヨウジ好きになったからね」

 その瞬間私は脳を撃ち抜かれたかのような衝撃を受けた。大学構内で3m程離れた私に聞こえる程のまぁまぁな声で幼児性愛について語り合っているだと、こいつらはロクでもない。しかし最高にロックである。かく言う私も幼児への飽くなき探求心(性的な)を持つ人間であったので後ろの3人に物凄く興味が湧いた。話を聞く所ユーキが一番幼児への熱い想いを持っているらしい。ユーキとは実に旨い酒が飲めそうだ。私はそのとき暑さと空腹で頭がおかしくなっていたのかもしれない。なんと我が背を陣取るロリコン三人衆に声を掛けたのだ。

つづく

 

 

にほんブログ村 大学生日記ブログ 文系大学生へ
にほんブログ村 jQuery('.icon-hamburger').on('click', function() { if(jQuery('.menu-container .menu').css('display') === 'block') { jQuery('.menu-container .menu').slideUp('1500'); }else { jQuery('.menu-container .menu').slideDown('1500'); } });