話が合わないオタクの対策

大量出現するオタク

 

 今日、インターネットの出現により情報摂取の手段がそれに偏りつつある。インターネットとは実に便利なもので多少の工夫をしてウェブを利用することで迅速に欲しい情報に行き着くことができる。またなんとなくネットサーフィンをしているだけでも自分の興味や関心を持てるコンテンツにたどり着けたりする。例えばウェブでたまたま見つけた音楽系ブログの中でたまたま見つけたアーティストのMVを見てそのアーティストにドハマリしたりする。もしインターネットがなければ、雑誌を購入してその紙面からアーティストを見つけさらに楽曲を入手し試聴しなければならない。かかる手間は段違いである。インターネットを使わない情報摂取は常に能動的でなければならないのだ。インターネットとは受け身を許容するメディアと言える。

 

 そんな受け身のメディアであるインターネットが引き起こしたのがオタクの量産である。スマートフォンを片手にいつでもどこでもインターネットに繋がり、暇つぶしで情報摂取を行うのだ。インターネットで出会う情報は自分の検索ワードやSNSでの繋がりがきっかけになることが多くどうしても自分の関心のある出来事になりがちである。自らの関心事項にばっか触れそれ以外にほとんど興味を示さなくなる。これがオタクの製造過程だ。今日はこのようなオタク製造が頻発する大オタク時代といえる。

 

 またインターネットがもたらしたもうひとつの恩恵として同じ関心を持つもの同士をつなぎ合わせるというものがある。彼らにとってそのような同志とのコミュニケーションは実に心地の良いものであろう。趣味が共通している故に話題が尽きないのだ。オタクはある物事に熱心になるという実に文化的で素晴らしいと思うのだが、それと同時にオタクが引き起こす様々な問題もある。

 

オタクが引き起こす問題

  オタクは先述の通りインターネットを通じて自分の好む情報ばかりを受け取っている。つまり彼らは関心外の出来事に極力触れないようなメディア利用をしているのだ。これによって引き起こされるのが価値観の偏りそして外部とのディスコミュニケーションである。あるコンテンツに関心を持つオタク同士の会話は弾む。しかし世の中には同じ関心を持つ者ばかりではない。ひとたび外部の人間と話せばその価値観の違いに戸惑いを覚えるだろう。またその外部の人間も他の関心に基づくオタクであれば双方が戸惑いを感じることになる。同じ関心のオタクとのコミュニケーションの心地よさの一方でこうした自分と少しでも価値観がずれている人間と話すときの不快感が増長する。

 

オタクが外部の人間と接触するときに取り得る行動は2パターン

  オタクは自分が心底愛するコンテンツを持っている。彼らはそのコンテンツについてなら5万字程滞ることなく語ることができる。語るだけではなくそれを話していて気持ちよくなれる。オタクはそういうわけで自分の好きなコンテンツを語りたがる。だがそれを楽しんで受容してくれる人間は非常に少ない。だからオタクはそのようなものに相対したときにディスコミュニケーションを起こしてしまう。

 

 まず考えられるのは話が合わないため黙ってしまうパターンである。相手は自分の趣味を理解していないため話しても楽しくないだろうとオタクは考え自分の趣味を話さなくなる。すると他に興味がある事柄がなく全く喋れなくなってしまうのだ。

 

 次に考えられるのは相手の顔色を伺うことなく話続けてしまうパターンである。この場合自分は好きなことについて話せて気持ちいいかもしれないが相手はどうだろうか。愛想笑いに尽力するに違いない。客観的に見ればコミュニケーションが成立しているように見えるかもしれないが、相手方が受け取る情報は無に等しく決してコミュニケーションが成立しているとは言い難い。

 

オタクによるディスコミュニケーションを防ぐために

 オタクが生むディスコミュニケーションの主な原因はインターネットでの偏った情報摂取である。そして偏った情報摂取が偏った交友関係を生み、価値観の偏りはより顕著なものとなる。これを防ぐためには根本原因である、インターネットの情報摂取を改めなければならない。しかしインターネットは工夫して使えば迅速に価値のある情報にアクセスできるツールなのでインターネットを絶つというのは不利益ばかりを生む。では、どうすればこの価値観の偏りを撲滅できるのだろうか。

 

 それは、世の人がマスメディアに濃く触れることで可能になると考えられる。例えばテレビではそのビジネスモデル上まだ世に出ていないコンテンツよりも既に流行っているコンテンツを紹介して視聴者の関心を引くことが多い。つまりテレビ等のマスメディアでは世間の平均を知ることができるのだ。これを知っているといないでは大きな違いがある。世の人が皆、平均を知った上で自分の趣味、関心に基づいた活動をすれば、話すことがないから黙ったり、平均からズレた話を長々と聞かせるなんてことはなくなるはずだ。

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