【考察】天元突破グレンラガンと量子力学について

f:id:kuma2909:20200811210342j:plain



はじめに

 アニメ制作会社GAINAXの代表作である、天元突破グレンラガンは私が最も傾倒したアニメの一つである。本作は男のアニメと題されるようにしばしばその熱いストーリー展開に注目されがちである。ステレオタイプ的なかっこ良い男の生き様、友情が主題として描かれている。しかし私はそれ以上にこのアニメは深い洞察を含んだスト―リーが魅力的だと思っている。本記事では主に天元突破グレンラガン量子力学の関係性について考えていこうと思う。

 

螺旋の力とは?

 天元突破グレンラガンという作品で主人公を始めとする仲間たちが持つ螺旋の力、これが何かについて考察していこう。本作の主人公であるシモンは生まれた場所であるジーハ村にて穴掘り作業中に奇妙な一頭身ロボット、ラガンを見つける。ラガンは電力供給を行われるような描写はないが動き続ける。その動力となるのが他でもない螺旋の力である。第26話にてブタモグラのブータが人形に変身する。そしてブータは大いなる螺旋の力を発揮する。

f:id:kuma2909:20200811205939j:plain

螺旋の力を最大限に発揮できるのは人間の形だとアンチスパイラルが語っていることから螺旋の力は人間の力である事が分かる。ブータが人間になったことで変わったことはなんだろうか。重要だと思われるのは以下の3つである。

1)人の形になった

2)頭脳が発達した

3) 2のおかげで喋れるようになった

 ブータはこの3つが原因となって螺旋の力を発揮出来るようになった。すなわち人と同じように理性的にものごとを認識出来るようになったことで螺旋の力を手に入れたのである。これは劇中でも述べられていることだが螺旋の力とは認識する力である。振り返るとシモンが認識の力に振り回されることが多々あった。第1話にてシモンは自分で見つけたラガンを動かすことが出来なかった。それは兄貴分である、カミナこそがラガンを操るべきだという認識があったからである。シモンは極端に自己肯定感の低い人物であり、自分ではだめだという認識が螺旋力の低下につながった形になる。また最終局面ではシモン達は10次元と11次元の間という意味がわからない場所にたどり着く。そこは認識が実体を持つ世界だ。3次元の世界では認識が目に見えることはない。この場所こそが螺旋の力がフルに働く場所であり、だからこそよくネタにされるアニメ史上最大のロボット超天元突破グレンラガンが出来上がったのだ。あの世界の実際の技術力で出来上がった最大のロボットは月と同等の大きさを持つアークグレンラガンまでであり、そこから先は全て螺旋の力によって存在する。

f:id:kuma2909:20200811210230j:plain

認識の力で生み出された全長1500億光年のロボット

 

グレンラガン量子力学と言霊信仰

 ここまで長々と説明してきた螺旋の力だが、一見すると単なる架空の力のように思えるかもしれない。SF作品によくある酷く願望的な技術に見える。ここで量子力学という比較的新しい学問について軽く説明する。私は量子力学に関して専門でも何でも無いためかなり簡略的な説明になるが是非聞いてほしい。量子力学が扱う量子というのは要するにめちゃくちゃ小さい粒である。分子よりも小さく、従来の物理の常識では説明のつかない動きをするらしい。その中の量子の性質の一つが観察しているときとしていないときで動きが変わるというものだ。人が見ているとなんらかの変化が起きる、すなわち人の認識に力が存在する可能性があるのだ。正しく螺旋の力である。またこの作品のテーマは言霊信仰にも似たものがある。言霊信仰声に出した言葉が実際の物事に影響を及ばすという信仰だ。作中に出てきた「螺旋の力を最大限に発揮できるのは人間の形」だという話も人間だけが言語を扱うことが出来るからだという説明ができる

 この作品が量子力学を意識しているのかは定かではない。しかし量子力学というまだまだ未開な領域に類するものが作品に組み込まれている。人間の多大な認識の力でロボットを動かすというのがこの作品のキーポイントである。人間の認識次第でこの広い宇宙を動かしうる大きな力を生み出すというロマン溢れる可能性を示唆する。私達が人として生きる中で如何に認識や言葉が重要か考えさせられる作品である。

にほんブログ村 大学生日記ブログ 文系大学生へ
にほんブログ村 jQuery('.icon-hamburger').on('click', function() { if(jQuery('.menu-container .menu').css('display') === 'block') { jQuery('.menu-container .menu').slideUp('1500'); }else { jQuery('.menu-container .menu').slideDown('1500'); } });