楽しくない氏、男友達に女を紹介する且つ女友達に男を紹介する

  楽しくない氏は酒を飲みにきていた。男友達一人と女友達一人を連れて麦酒をゴクゴク飲んでいる。この会の目的は目の前にいる男女二人を恋仲にすることである。女を紹介する男といえば現実 が充実している、余裕のある男というのが相場であろう。しかし楽しくない氏はそんな余裕など到底見込めないダサい男なのだ。一人の女性と付き合おうと思えばその下に最低4人はフラれた過去が必要な男だ。好きな女性と話すときは声が上擦り、怠惰に寝て過去の自分を責めながら毎日を過ごす。なぜそんな男が女を紹介するに至ったか。それはもちろん男友達の猛烈な性欲に応えた形になる。モテない楽しくない氏が男友達のあふれんばかりの性欲に頷いた理由は二つある。

  まず第一に彼は男女の性欲の交差する場所を非常に卑下している。もはや潔癖症と言っていい程だ。しかしそういう場所こそが人間の真の姿だとも思っている。彼らを性行為に至らせることが彼を潔癖症から救う道だと考えたのだろう。そういう性欲に塗れた男女を直視することは彼の人生観にひどく影響を与えるのだ。男女の汚い交友というのは人生において必要不可欠なものである。それがあると周りの男友達は酷く幸せそうにするのだ。だから彼はその汚い交友を直視したく思ったのだった。

  次に楽しくない氏にはそんな性欲に溢れた男子は飲みの席でどういう会話をするのかという知的好奇心があった。性一辺倒でどこまで話が出来るのか、楽しくない氏自身にはない素質を見たくなったのである。結果としてはその性欲は実ることなく、男二人で半ば涙を流しながら帰ることになったのだが楽しくない氏は友人の勇姿を尊敬せざるを得ない。彼の友人同士がSEXすることが彼にとって何のプラスになると考えたのかは私が知るところではないが彼は酒に浸って気持ち良さそうに寝ているので良いとしよう。

   

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