両親へのコンプレックス

  僕はよく両親に理屈っぽいと言われる。そんなことは自分が一番よく分かっていて辟易としてる。自分の中で最も好きじゃない要素だ。あるいは両親が愛を向けてくれない自分の理屈っぽい要素を好きになれないだけなのかもしれない。両親はいつだって僕に子供っぽい愛らしさを求めてくる。父親は酔っ払うと息子は5歳のときが一番可愛いなどと言う。母親は息子は今も可愛いなどと言う。しかし僕は両親に僕の別のところをもっと見てほしい。僕は21歳になるまでに可愛くなくなった。だけどそれ以上に物事を深く考えられるようになった。理屈っぽいだけの単なる屁理屈かもしれないが、大人びた意見を言えるようになった。両親は愛してくれないけど僕なりに成長している。なんていう自負はあるものも両親に否定されると自信がなくなってくるものだ。子どもにとって親は絶大な存在に見える。

  以前父親が僕が書いた脚本の舞台を見に来たことがあったが、それはとても嬉しかった。僕の歪に思える成長を認めてくれた気がした。もう少し早く僕の成長の仕方を認めてくれていたらもっと自分に自信を持てていた気がする。あるいわもっと両親に甘えられていたらそれはそれで心持ちも変わっていたことだろう。たらればの話をしたところで何も意味はないのだけど。21歳にもなって両親へのコンプレックスから抜け出せない自分が嫌いだ。

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