【考察】シン・エヴァンゲリオンに見られる残酷なヒロインのNTRについて

はじめに

 私はNTRジャンキーである。もう最近は作品を見てもNTRかそれ以外かという視点でしか観れなくなっている。先日観たシン・エヴァンゲリオンでは洞察の深いNTRが展開されていたため語らずにはいられなくなってこの記事を執筆している。エヴァンゲリオンの真なるテーマである「父親殺しと母親犯し」や「神と人間」、「エヴァの呪縛」などのテーマは分からないのであまり触れないようにする。また本記事ではシン・エヴァンゲリオンの大いなるネタバレを含んでいるためご注意頂きたい。

 

本作品のヒロインについて

 まずNTRを語るに前にエヴァンゲリオンシリーズのヒロイン即ち主人公である碇シンジの性的対象についておさらいしたいと思う。テレビアニメ版、旧劇場版、漫画版、新劇場版に共通して言えることとして綾波レイ、惣流及び式波アスカラングレーがシンジの思春期を揺るがす存在になっている。新劇場版では序でレイの部屋に入り風呂上がりの姿を目撃し破ではお風呂に居るペンギンに驚いたアスカが裸で出てきた所を目撃する。そのときのシンジのドギマギは痛々しい程描かれていて、正にアニメのヒロインという感じである。破ではシンジを取り合う描写もあり時代に合ったハーレムが展開される。またレイとアスカは今で言うツンデレとクーデレという対照的な存在で描かれていてそのヒロイン加減は枚挙にいとまがない。そして新劇場版と漫画版に出てくる真希波マリもヒロインの一角である。シンジとの初対面時に胸を顔に押し付けている。最も過激な肉体的接触のあった人物と言えるかもしれない。

 本作品のヒロインを「綾波レイ」「惣流、式波アスカラングレー」「真希波マリ」の三者と考えてNTRを抽出したいと思う。なお葛城ミサトも主人公の性的対象になっているとは思うがヒロイン的要素は薄いと判断して三者に絞って話を進めていく。カオルくんが考慮対象になるのかは分からない。

 

ヒロインとのその後について

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笑えばいいと思うよ

 綾波レイは最もシンジと心が通じあった人物だと思う。序では有名なヤシマ作戦にて「あなたは死なないわ、私が守るもの」から続くデレデレ展開が起こる。しかし本質的にレイとシンジは母と子の関係であるのでそこに恋愛的な要素を見出すのは悩ましいところがある。また仲良くなったレイの個体は消滅する。そしてシン・エヴァンゲリオンにて綾波型はシンジに対して好意を抱くように設定されていることが明らかになった。だから純粋な恋心を見出すことは難しい。結局の所、綾波レイ及び碇ユイはゲンドウとの結びつきのみを求められていてシンジとは母と子それ以上ではない。父の偉大さに負けて、最後まで母との姦通をすることが出来なかったシンジの負けである。レイに関してはNTRというよりも寝取りに失敗という感が強い。まぁシン・エヴァンゲリオン最終シーンにてレイとカオルが仲睦まじく話す様子があることから何にしても敗北を察せざるを得ないが。

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幼馴染っぽい

 

 惣流、式波アスカラングレーは言わば幼馴染風な間柄である。新劇場版とテレビアニメでは勝手が異なるがエヴァに乗らざるを得ないという同じ境遇を背負った者同士だ。破では仲睦まじいレイとシンジに嫉妬の炎を燃やす描写がある。実際、シン・エヴァンゲリオンにてかつてはシンジのことが好きだったという告白がなされる。しかし、中学の同級生である相田ケンスケと実質夫婦のような関係になっている。14年という年月の中でアスカは成長してしまい、14歳に閉じ込められたシンジはもはや性的対象ではなくなった。シンジは何も変わらずアスカは次に進んでいる。そんな心と現実の違いが切なくなる、優秀なNTRである。寝取った男であるケンスケがシンジに優しく接するのがより傷を抉る。ケンスケには後ろめたさもあるのではないかと勝手に思っている。

 

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接触

 真希波マリとの恋路は最もやるせなさが残るものだと感じた。シン・エヴァンゲリオンにてマリとシンジは結ばれる。マリは3人の中で最もヒロイン性が薄いヒロインであった。そこがくっつくことに観たときは驚いた。シンジにドギマギが発生したのは胸を顔に押し当てたときくらいである。一見NTRの要素などないように見えるが、ここには最も闇深いNTRがある。マリはゲンドウの大学からの知り合いで、ゲンドウのことを「ゲンドウ君」と呼ぶ。容姿が変わらないのはエヴァに乗った代償のためである。またマリはゲンドウを好いていたような描写が見受けられる。なので全く前触れのない、シンジとのカップリングはマリがゲンドウの影を追った結末であるように思える。ゲンドウの子であるシンジは人付き合いを苦手とする点で似通っている。マリは結局のところシンジではなくてゲンドウを意識しているのではないだろうか。偉大な父親を超えることは出来ないし、越えようとも思えない。父親殺しに失敗したシンジの悲惨な末路がそこにはある。

 

おわりに

 アスカは至極順当なNTRであった。(順当なNTRなどあってたまるかとも思うが)それに比べてレイとマリは父親によって精神的に寝取られている。これほどまでに不条理なNTRを経験したシンジは一生涯父親を克服出来ないだろう。NTRと父親殺し未遂の完璧な描き方は感動ものであった。あまりエロくはないけど、ここまで深い洞察を含んだNTRを見せてくれたエヴァンゲリオンシリーズには感謝をしてもしきれない。しかしマリに関しては割と推測を含んだ内容であるため、二人の恋路に関する別意見があれば是非聞いてみたい。

 私はエヴァを見出したのがここ数年なので、ヒロインに関する思い入れはそこそこだ。長年ヒロインに恋い焦がれつつ視聴していた先輩方の心苦しさは察する。恋路の続きは同人誌で見るのがよろしいだろう。どれが正史なんて人それぞれなのだから。

 

 

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