本日は大学二回生の後輩とバイトに入った。どうやら「気になるあの娘」がいるらしい。だけれど「気になるあの娘」に対する心持ちが私とは随分と違うようであった。「好きという気持ちが分からない」と彼は言う。私は好きと言う気持ちはそれは突発的にメラメラと湧いてくるものだと思う。連夜抱き枕を抱き寄せずにはいられずに、何かを晴らすために急に走り出してしまう。そんな心持ちである。
私と全く異なる仕様の恋心を持つ彼は私にとって相当な異文化である。しかし言われてみれば私の恋をする心持ちは文化的影響が大きいように思われる。今まで見てきたフィクションの恋愛は例外なく変な葛藤が付き纏っていた。私もそれに憧れてそのような行動を取る。どうやらそのような恋路を普遍的なものと勘違いしていたらしい。しかし「メラメラは素晴らしいぞ」と彼に声高に語るなどした。メラメラがメロメロとイコールになる。そんな経験を思春期のうちにしないことは実に惜しいことである。そう思うのも私のエゴである。二回生の彼には燃えてほしい。そんなプチ老害的な様相を呈してくるのが四回生というものである。