紳士的エール

 駅の階段を上るとき、無意識にスカートの後ろを押さえる。別に後ろから登っている人を疑っている訳じゃないけど、見られないに越したことはない。男の人は誰がそういう視線を持っているか分からない。でも少しだけ罪悪感に苛まれることもある。私は勝手に短いスカートを履いて勝手に見られていると思って隠している。私、自意識過剰かな?

 

「過剰じゃないですよ!自信を持って下さい!」

「え誰ですか。」

「はい、あなたの短いスカートとてもエッチです。」

「きゃーお願いだから私の脳に直接話しかけないで。お願いだから質問に正しく答えて。」

「僕はちゃんとあなたを見ていますよ。だから自信を持って堂々と隠して下さい。名も無き紳士より」

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