ハロウィンのダサ思い出

 昨日はハロウィンだったが、いつも通り卒論を書いて、面接を受けて、アルバイトに行った。多くの人にとってそれはいつもと変わらない日である。これは一回生のときの話なのだがハロウィンパーティーなるものに参加したことがあった。

 当時私は大学デビューを目論んでいた。その想いは今となれば見る影もないがとにかく遊びたがっていた。そんな中で授業が一緒になった知り合いにハロウィンに行う宅飲みに誘われた。男女3対3のハロウィンパーティーである。私はもちろん二つ返事でその誘いに乗った。

 ハロウィン当日、私は18時まで授業があった。そのため彼らには先に始めてもらっていたのだ。今思えばそれが一つの間違いでもあった。授業が終わって勇足で大学の近くにある友人宅に向かった。途中で場所が分からなくなり、電話をかけて場所を聞くことになる。男のスマホに電話かけたのだが、スピーカーからは女の声が聞こえた。

「あー楽しくない君??早くおいでー。」

完全に酒で出来上がった声であった。そのふしだらな声に私の胸の高まりは頂点に達した。なんだかんだあって無事に友人宅に到着する。部屋は薄暗い間接照明で照らされていた。

「楽しくない君〜!」と不潔な声がする。

目をやると仮装をした男女が居た。ミニスカポリスにナース、デビル。男はどんな格好をしていたのか覚えていない。記憶する意味がない。結論から言えば私にとってその空間は卑猥過ぎたのである。心の戸惑いを隠しながら、「俺が授業受けてる間に随分と楽しそうにやってんね」と発する。そしてスベる。なんとも言えない微妙な空気になる。彼らに追いつくためにその場の酒をがぶ飲みする。

「楽しくない君、ビールすきなの?珍しいね。」とビール好きの女に喋りかけられる。実に一回生らしい会話である。

 結局私はベロベロになっても女子にドギマギし、終始エロいこと考えていないアピールをしながら太ももを肴に酒をちびちび飲み続けた。この日私の大学デビュー計画は完全に破綻したと言える。そういう星の下に生まれていないことを思い知った。現実を教えてきた彼らを恨んでも恨みきれないだろう。余談だがその時に女子に勧められてインスタグラムのアカウントを作った。それは今も続けている。その点のみ彼らに感謝したい。

 

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