卒論執筆は面白いが…

 ここ数ヶ月私は卒論の執筆に傾倒している。私の研究はフィクション創作におけるフリーカルチャーの可能性を探るものとなっている。その分野に興味がある人以外からは「は?」と言われる内容である。その分野に見識があり、私のテーマを刺激してくれた教授には感謝をしている。研究は面白い。なぜならば2年以上同じテーマについて考えているのにも関わらず、未だに新しい文献を読むと自分の考えたことのなかった見方が出てくるからだ。自分の主張を確立する、新しい見方を知る、主張を解体する。こんな終わりのないループに誘われる。自分の領域から一歩ずつ外に出ていくような感覚は研究以外じゃ中々味わえない。

 しかしながら、たまにふと思う。この行為に何の意味があるのだろうかと。この前、面接で卒論のテーマについて深掘りされたことがあった。私も馬鹿じゃないので、テーマの具体例を挙げて分かりやすく説明した。すると担当者はその中身をさらに聞いてくる。仕方なく抽象的な概念を交えて喋るのだが、相手は「は?」と言いたげな顔をしていた。うまく説明出来ない私が悪いのか。そもそも2万字かけてまとめようとしている内容を数分で聞こうなんて傲慢過ぎはしないか。しかしそれも仕方ないことなのである。相手は生産的な存在、社会人様だ。そんな方の前で非生産的なカルチャーの話をしたのが間違いなのだ。生産的に聞こえるように話せなかった私の負けなのだ。あるいはもっとお利口に、誰でも分かることをテーマにしておけば良かったとも思う。興味がなくてもなんとなく活動できる人間に成長してたらとも思う。

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