「俺来年ニートなんだよね〜」
と語る男の股間はほとんど臨界状態にまで達していた。不幸オナニー。痛さは承知の上でついやってしまう。自身の置かれた状況をまるで悔いてないかような錯覚に陥る。そして器の大きさを周りにアピール出来ていると思い込む。そんな魔力があるのだ。
しかし不幸を紛らわせてしまうそれは彼の身体を不健全なものにする。不幸はオナペットのためじゃなくて反骨的な何かを産むためにあるのだ。臨界している場合ではないのである。
かつて男はこんなんではなかった。女に振られたショックで友人に電話して咽び泣いたこともあった。不幸を不幸のまま噛み締めて、ちんちんはシナシナになったものである。彼が今やっているのはいわばNTR好きを公言するようなものである。寝取られたショックを「まぁこれでも興奮出来ますから」と余裕なフリをすることによる自己防衛である。NTR好き人生ではなくNTR咽び泣き人生を望んでいるのだ