イマジナリー風俗とNTRの本質

  私はひょっとするとまたパンドラの箱を開けてしまったのかもしれない。前に開けたのは高校2年生の時だった。アニメのヒロインが主人公以外の男と作った子供を抱えて来たのを見てなんとも言えない感情に襲われた。何が起きたのか分からなかった。しかしそこに猛烈なエロさがあるのは確かだった。行き場のない悶々とした気持ち。そういうものが私の脳を支配する。今日またそういうものを感じた寝取られてもいないのに。

 

不動産屋にて

 私は就職で地方に行くので新居探しのために不動産屋に行った。するとそこに居たのは水色のジェルネイルを施した茶髪の女店員であった。女子高生みたいなダボダボのセーターを着ている。まずそこで普通にスケベだなと思った。これに関しては男子が女子に標準的に覚えるスケベと相違はない。それから3件の内見に行った。部屋の中に案内される。しかし私は内見童貞であったため、いまいち何を見ればいいかピンと来ず5分も経たずに「ありがとうございます、もう大丈夫です。」と伝えた。部屋を出て車に戻る途中で「楽しくないさん、見るの早いですね笑」と言われる。その声が童貞を嘲笑する感じに聴こえて、赤面してしまった。

 そして店舗に戻って気に入った物件があったため申し込みをすることにした。アクリル板に仕切られたカウンターに座り、店員から記入の指示を受けた。申し込み用紙には就職先の会社について書く欄があり、業種が何に当たるのかを迷ってまごついた。するとカウンター越しで肘をつきながらギャル店員が用紙を覗き込んできた。

「会社で何するの?」

「う〜んだったらこれをマルすればいいかな」

 唐突なタメ口がそこにはあった。通常身につけるはずがないジェルネイルに茶髪、ダボダボのセーター。そんな身なりの女にあるはずない宅地建物取引士という肩書き、バレるわけがない童貞、つかれるわけがない肘、当然使われるわけがないタメ口。そういった不意の無礼の数々に脳震盪のような衝撃を受けた。私は初期費用として73000円を支払い、店をあとにする。店から駅に向かう途中、のぼせた体が徐々に冷めてきた。冷静に考えるてもやはりあるわけがない接客だった。もしかすると私は間違えて極めて特殊な風俗店に入ってしまったのではないかと不安になった。しかし後ろを振り返るとそこにはしっかりオレンジ色の看板の不動産屋があるのだ。明細を確認してもサービス料ではなくしっかり初期費用として精算されている。しっかり契約をすることが出来ていて良かったという安堵感と共にあの風俗店にはもう二度と行けないということを知り悲しくなった。後ろを振り返ってはいけない。強く生きなければ。

 

イマジナリー風俗を経てNTRの本質を考える

 不意な無礼これはかなり大きな括りの性癖だろう。NTRもここに含まれる。裏切るはずのないあの娘が、喜ぶわけがない他の奴のもので、出来るわけがない子供が。全ては不意な無礼で説明できるのだ。

 ここで一つ留意しておきたいのはNTR好きが寝取られてもそれは不意ではなく予期していた出来事になってしまうことである。不意がなくなると性癖として成立しなくなるだろう。だがしかし、NTR好きにとってそれは杞憂に過ぎない。どんなにNTRが好きと豪語していても、その場面に直面すれば誰でも不意な切なさに襲われることだろう。

 

また一歩NTRの本質に近づけた気がする。ありがとう店員さん。そしてさよならイマジナリー風俗嬢。

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