ゲキイタ

 僕は根本的なところで激痛な人間なのである。気を抜くとそういう部分がすぐに出てしまって、振り返ってとても恥ずかしい思いをする。

 

小学生のときに卒業遠足で行った、としまえん。そこで撮られた集合写真には僕だけが満面の笑みで写っていた。八重歯丸出しの恥ずかしい笑顔だ。同級生との最後の思い出ということでそんな笑顔が出たのかもしれない。小学生のときから明るいタイプではなかったけど、ふとしたときにそういう明るさというか熱さというかそういうものが出てきてしまう。僕はそれを激痛と呼んでいる。

 

そういう激痛は、成長とともに引っ込んでいくものだと思っていたのだがそういうわけでもないらしい。大学に入ってからのお酒の席ではネジが緩んで激痛に拍車がかかった。サークルの卒業した先輩が飲み会に来てくれた際には柄にもなく、帰りの駅までの道中にひょこひょこと近寄って、「先輩居たとき良かったですよ~」なんてことを行って一方的に悩みを吐露したことがあった。社会人になってからは研修で一緒になった配属先の違う同期に熱めの厚めの長文メッセージを送った。彼らは僕と比べ物にならないくらい営業成績が良い。書いていて顔が赤くなってしまうような出来事だ。

 

 

普段塞き止めていた水が、激流として流れ出る。そんなダムから流れ出た大量の水が河川及び周辺の居住地域に洪水を引き起こす。溢れるまで塞き止めているから激流になってしまうのであって、それを普段から定期的に放流していれば小川のせせらぎが聞こえる平穏が続く。僕の川は常に干からびていて、周囲の人々は水不足を嘆いている。そしてたまにとんでもない氾濫を起こす。

 

これが僕の激痛であり、もっとクールに生きたいというのが切実な願いである。

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