先日、僕にガールフレンドが出来た。仕事前に彼女のことを気にしながら駅前の喫煙所で煙草を吸っていた。
ついついまるで大したことがないように「先日おでこにニキビが出来た」みたいなノリで書き出してしまったが、そういう日常である。そこには感情の揺れ動きがあるのだが、それは恥ずかしくて嬉しいものなので機微の言及は避けたい。そうここでは構造上の理解に留めたい。
先々日、頬にニキビが出来た。おでこのニキビは何処か微笑ましい気がするのにこうやって頬を触りながら歩く姿はとても惨めに感じる。これがマスクのつけ過ぎで出来てしまったものであることを祈るばかりだ。
彼女は元を辿れば大学の知り合いであった。ただ一回昼ごはんを一緒に食べて、それからカラオケに行った。ただそれだけで特に仲良くなることもなかった。だから大学の知り合いという感は薄い。その後ブログを介して出会った?仲良くなった?知った?…なんと言えば良いのかわからないが、向こうがブログを始めてお互いのブログを時折読む。そんな仲になった。それを4年くらいやっていた。
そして社会人になってから彼女がお酒を飲んだ状態で電話がかかってきた。そこから彼女の為すがままにいつのまにか男女の関係を意識することになった。僕は彼女に流されている。もし彼女の流れが男女のそれじゃなかったら普通に友達としてたまに飲みに行く仲になっていたことだろう。あの日本当に相当量酔っ払っていたのかは定かじゃないけどそういう流れを作ってくれた彼女には感謝している。大喜びで流れに身を任せている。チョロい男楽しくない氏の姿がそこにはあった。そして今日に至る。
恋人になってから初めて彼女とデートをした。僕のチョロさを当然のように見透かしてこう言う。
「電話が私じゃなくてもついて行ってたでしょ?」
それは確かなことだった。パンチラインが過ぎるだろと思う。あるべきの「君じゃなきゃダメだ」なんてことは言えなかった。それはどう考えても嘘になる。ただ一つ言えることは「君じゃなきゃここまで心を開かない」ということだった。僕の大学生活は枠線だけがあって、ブログという鉛筆の濃淡を使って中身を埋めているというものだった。そんな虚無だが誇りを持っている生活を彼女は覗いてくれていた。そういう類の人間だと分かっているから僕は好きになることが出来るのかもしれない。パンチラインもヒリヒリして素晴らしい。