週末、遊べる友人も恋人も居なければ風俗に行くような性欲もなかったので部屋を改善することにした。
1人暮らしを始めてから1年弱、私はほとんどゴミの分別をしていなかった。流石に燃えるゴミに乾電池を捨てるようなことはなかったけども最低限の分別だけで済ましていた。指定ゴミ袋に金払ってるんだから何捨ててもええやろという考えがあったからだ。
しかしどうやらその考えは間違っていたようで、何もかも適当に廃棄して環境を微力ながら破壊している自分が日に日に嫌になっていった。ただでさえ人間関係というミクロな視点で有害なのに、地球環境というマクロな視点でも有害となれば自身の生存理由も危ぶまれてくる。ということでゴミくらい分別しようと決意した。全ては少しくらい生きていてもいいと思えるために。
私の1Kの部屋にはゴミ箱というものが存在しない。あるのは直置きのゴミ袋だけだった。普通、ペットボトルや缶や白色トレイといった資源ごみをどこに置くだろうか。そういうゴミが出やすいキッチンに置くのが定石だろう。しかし私の部屋のキッチンは人1人が通るがやっとといった塩梅でゴミ箱を置くスペースがない。もちろん生活の導線を狭めれば省スペースなゴミ箱は置ける。しかしゴミ如きに私(ゴミ的人間)の快適な生活を犯されてたまるかと思い、そうはしなかった。こういう問題があったので全ゴミを燃やし尽くす生活を続けていたのだ。だからこれから新しくゴミ箱を置くとなると、ただでさえものでいっぱいのリビングのスペースを削らなければいけない。
選んだ答えは簡単だった。私はリビングの入り口前に3段構成のアルミラックを置いていた。1段目に炊飯器とコーヒーメーカーを2段目にはトースターと食パンとお菓子が置いてある。そう、無意識にこの棚でキッチンを拡張していた。で、3段目に何があるかというと誇らしげに飾られた飲み干した酒類の空き瓶だった。つまりゴミである。答えは明確だった。ゴミを誇ることをやめて、ゴミを隠す箱を置くことにした。
その日のうちにニトリで空き瓶ディスプレイスペースに丁度入る、ゴミ箱を3つ購入。キャスター付きだ。それぞれに袋を入れて右から
ビン・缶 ペットボトル プラ容器
誇らしかったジョニーウォーカーの空き瓶は一番右に収まった。そしてマクロ的視点で有益な人間になってしまったのだ。自信がちょっとだけ増した。
それでもなお溢れるゴミ