トマトジュースが好きである

  氷も入れていない透明のコップに凍る直前まで冷やしたトマトジュースをドロドロと注ぐのが人生で一番楽しい瞬間なのかもしれない。私は常温であそこまでドロドロとした飲料を見た事がない。あれをコップに流しているとき、まるでコンクリートを流し込んでいるかのような錯覚に陥ってしまう。コンクリートを体に流し込むなんていう体験が出来るのはトマトジュースだけだろう。この背徳感が堪らない。トマトジュースを飲みながらあっぁそんなことをしたら窒息してしまうよぉ、なんていう芝居を入れるのもまた一興である。

  皆さんには驚かないで欲しいのだがなんとトマトジュースの魅力はこれだけじゃない。これだけであってたまるものか。トマトジュースの真価はそこに大量の塩を投入することによって発揮される。冷やしたトマトジュースをそのままコップへ移す。そして小さじ半分程の塩をいれるんだ。これで完成だ。一つ注意して欲しいのはここでトマトジュースをかき混ぜて塩を溶かしてはいけない。塩は重力で勝手にコップの底に溜まる。このコップの底に秘められた尋常じゃない塩分がトマトジュースの魅力なのだ。氷を入れてないのも塩分が底にスムーズに行くようにする為である。そうだトマトジュースは塩を食べる言い訳として飲むものなのだ。そんなことをしたら血圧が云々と、生活習慣病が気になる世代に言われそうなものだが安心して欲しい。トマトにはリコピンという血圧を下げる作用のある成分が入っているらしい。つまり塩を入れてもプラスマイナスゼロなのだ。ちなみにこのような食物間での相殺効果は先行研究者であるサンドウィッチマンカロリーゼロ理論として証明している。中にはこの先行研究を信用できないという人もいるかもしれない。しかし例え血圧が高くなっていよいよ死ぬとなったらそのときこそ塩を入れずにひたすらコンクリートを流し込む感覚だけ堪能すれば良いだけの話なのだ。トマトジュースが好きである。

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