「最近雨降ってないですねー。」
「今夜冷えるらしいですよ。」
天気の話、僕はそれが一番嫌い。雨が降っていたってそれは彗星が降る程に大したことじゃない。今夜冷えるならそれなりのダウンコートを着てコンビニへ煙草を買いに行く。上の空の会話はお互いどうでも良い。机の染みを数えていたほうがまだ楽しいと思う。だけれども大人は上の空の出来事で回っている。子供は学校の友達と天気の話なんかしない。僕はちょっとだけする。それと一緒に愛想笑いもする。そんな僕らを見て子供は「大人は皆気象予報士になりたがっている。」なんてことを考える。僕としては凄く心外だ。でも上の空と地表が繋がっていることは紛れもない事実だからなんとも言えない。