割と頭の中が普通な気になるあの娘

 彼女と知り合ったとき私は十九歳、彼女は十七歳であった。最初こそ彼女との性的な接触に思いを馳せたが、今となってはそれはどうでもよくなっている。彼女は先週高校を卒業したらしい。私は東京に住んでいるが彼女は大分県に住んでいる。彼女とは数ヶ月に1度、調子どう?から始まるつまらない会話をする仲であった。彼女は私が浪人生としてくすぶっている時に出会い孤独な浪人生活を支える一縷の望みとなっていた。私が去年、受験勉強の呪縛から解放されたと共に彼女はそれに囚われ、昨冬にその成果を発揮したものだと思われる。彼女は解放されたのだろうか。そんなことは彼女にメッセージを送れば直ぐに分かることなのだが受験というものがいかにセンシティブなものか私は痛い程知っているし、何と言っても彼女が受験勉強に囚われ続けることは彼女は地元に留まることを意味するためことの顛末を知るのが非常に怖い。なんでもいいから私の近くに来て欲しい。また仮に彼女が「もう一年」の呪縛を採ってそれを有意義なものとし夢の大学に行くとしても私は素直に喜べない。私は努力を重ねた彼女に追いつくことが出来ないと思う。大学生活で自己肯定感を薄めることに尽力した私がそんな彼女に会ったらなんと声を掛けたら良いのか。あろうことか私は彼女の成果が報われていないことを願ってしまっている。私と同じく敗者であってほしい。私と同じく...。

 

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