隣のテントは青く見える

  楽観的青春というブログタイトルなのでたまには青春について語ろうと思う。最近の私は恋愛について語るばかりで青春というものをなおざりにしている節がある。恋愛というものが青春そのものだという意見もあるが私が思うに恋愛は青春という全体を構成する一部分に過ぎない。これは推測でしかないのだけど恋愛は好きな相手に身を焦がすほどの熱意を注ぎ我を忘れてしまうものだと思っている。だから青春とは忘我の行為全般を指す。そういう意味で今日は青春のテントが張り巡らされる日であった。いや決して性的な意味でなく。

  今日は学園祭の準備日であった。様々なサークルや団体が模擬店や活動の発表の準備に明け暮れる。私は所属する演劇サークルの模擬店準備に参加していた。ちなみに私はこのサークルにキャンパスライフにおける殆ど全ての青春を預けている。この日は普段はクローズドな各団体の青春が露わになる。

 演劇サークルのテントの下で私が青春に興じながら模擬店準備を進めていると違うテントから賑やかな笑い声が聞こえてくる。他サークルの内情なんて全然知らないから気になりつい目を遣る。やっぱり一際目を引くのは男女がつつきあって冗談を言い合っている様であり、次に男同士の熱そうな交友であり、その次に明るい髪の女性の太腿や胸等の諸部位である。実に楽しそうな笑顔と声だ。私の青春も楽しいはずなのに何故か羨ましくなってしまう。楽しくないわけはないのである。他のテントの彼らは我を忘れて楽しそうである。しかし私はどうだ、他テントのことばっか考えて自分と比較して、全然忘我していないではないか。私は失意に暮れた。他者と比較してしまうと急に自分の築きあげていた青春が有名無実のものであるように思えた。

  結局今、独りでテントに残りこんな寂しい文章をスマホで書いている。自テントに縋る虚しい男のように思えるかもしれない。けれども不思議と隣のテントは気にならない。甲高い声とか頻りに運ばれるキャスターの音とかが鳴っているが気にならない。私の数メートル横で女子の綺麗な長髪や胸や尻が揺れているが気にならない。今日あった出来事と青春を絡ませることに精一杯なので気にならない。私にとって文章記述こそが我を忘れる行為なのだ。もう時間だしアルバイトに向かおう。

--------------------忘我終了

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