楽しくない氏つまらないダジャレを思いつく

    楽しくない氏はその夜、自室で350mlの缶ビールを飲みながら自身の楽しくない日常を振り返る。ここ最近彼の身の周りには何も起こらない。ロクでもないこと、災難が降り掛かるわけではないけど彼にとって何も起こらないほど苦痛なことはなかった。楽しくない氏のここ半年のテーマである意中の女性との恋愛成就も前ほどの胸の高まりもなくなっていて、彼の趣味のブログ執筆だって自分の文章の拙さと彼の身に何も起こらないことが相まって楽しくないものになってしまったという。何にも傾注できない彼には拠り所がない。彼の精神は脆く崩れやすいもので何かに掴まっていないと立つことすらもままならない。彼には傾く先が存在しないのである。

 追い打ちをかけるように彼の耳には友人達の甘い経験談が飛び込んで来る。女を傾く先と選んだ友人達の武勇伝と言っても良い。彼はいつもむせ返るのを必死で我慢して友人の話に耳を貸す。彼は「甘いことよりも拠り所があること自体を妬ましく感じるだけだから恋人じゃなくても親でも兄妹でも友人でもアイドルでも二次元美少女でも教授でも趣味でも学問でもそう大差ないんだ。」などと強がりをよくいう。しかしそんな彼はその夜、友人達のカンビな瞬間を僻みながらカンビールを飲む。そしてその砂糖たっぷりの生クリームのような甘さで胸焼けを起こし吐き気を催す。全くつまらない人間である。

 

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