iPhone 8とiPhone11 proの驚くべき性能差

  午後2時の郊外の駅のホームに私は居た。雨に濡れながら傘を差して自転車を漕ぎせっせと駅にたどり着いた私にはこのホームがいつもより幾分も寂れたものに見える。なぜ私が平日のこんな時間に外出をしようとしているのかって?そんなの午前の授業中に寝ていたからに決まっているじゃないか。冬の朝は起きることが出来ないというのをヒト科の性質に加えて欲しい。しょうがないんだこれは文字通りの意味で人間の性なのだ。

  こんなことがあったからいつもに増して私の気分は暗い。昼の郊外の駅の電車の間隔は長い。何故14分もこのような寂れたホームで過ごさなければならぬのか。こんなことならば14分長く寝ておくべきだった。特に時間の推移なんてものはないのだけど私は頻りにスマートフォンを出して時刻を確認する。いくら確認したところで午後なのだ。午前の授業には間に合わない。ホームの人は疎らでベンチが空いてるのに何故か私以外誰も座っていない。暗い赤色のコートを着た老婆にサラリーマン風の男が居てそれにスカートの丈の短い女子高生二人組が居た。ちょっと待てよ。女子高生二人組?私はそれについて全くもって認識していなかった。無意識のうちに意識外に置いていた。彼女らを意識した瞬間にあれだけ静寂しかなかったホームが急に賑やかになった。マッシュボブの方の女子高生がスマートフォンで動画を開き、髪の長い方と一緒に歌を歌っている。どうやらアナと雪の女王2の劇中歌らしい。このホームでは彼女らは正しく異質であった。私の陰鬱な気分をまるで嘲笑うかのように彼女らはスマートフォン一つで楽しい青春の一幕を演じ切る。私は例えそれを使ってもタイムリープを願いながらロック画面を見ることしか出来ない。私と彼女らは3、4歳しか離れていないだろう。だけどもしかしてこれがデジタルネイティブというやつなのか、私はまたしてもネイティブに対して劣等感を抱かねばならぬのかと不安になった。しかしそれは直ぐに杞憂であることが分かった。彼女のスマホにはカメラが3つ付いていた。iPhone11 proだった。私のスマホにはカメラが1つしか付いていない。詰まる所彼女らと私には持っている端末差以上の差など何一つ存在していなかったのだ。私は安心して再び時刻を確認した。あと2分で東京行きの電車が来る。

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