男の子アレルギー

 ここ数ヶ月、上司の言動に不快感を感じながら過ごしていた。現在、私がやっている仕事の進捗は芳しくない。そして朝、営業先に向かうため事務所を出ようとするときに上司は私の肩をポンッと叩き「今が踏ん張り時だからな」と私にエールを送る。上司は私のことを気にかけてくれているし、叱ることなく応援してくれている。だけど、そういう熱い雰囲気の言動に辟易としてしまう。

 会社の出世したおじさん達は常々"奮起"だとか"踏ん張る"といった男の子っぽい言葉を使う。"踏ん張る"なんて私は"ウンコを〜"ぐらいでしか使ったことがない。今日に至っては「この支店は背水の陣だ」とか言っていた。それに対し私は「よっ!男の子!カッコイイ!」と心の中で思っていた。"陣を組んでいざ戦場へ!決死の覚悟で挑め"というのがおじさん達の世界観である。こういう上司みたいな奴らが戦争を盛り上げたに違いない。上司の部下の機運を高めようとする言動全てが会社の利益追求を扇動するプロパガンダに見えてしまい、とにかく不快である。

 私自身2年間働いていて、ある程度根気があった方が良いというのは同意するところだ。けれども上司から男の子を押し付けられるのはひどく不快に感じる。仕事で良い扱いを受けるには男の子を演じなければいけない。上司が喜ぶからといって「気合入れます」とかほざいている自分にも心底イライラする。

 脳死で少年野球でもやって"男の子"を接種しておけば良かったと思う今日この頃である。子供の頃、母に少年野球の体験に連れて行かれたことがあった。監督の指示に元気よく返事をする同級生が怖すぎて途中で帰ってしまった。今考えればあれは"男の子"の予防接種になり得た。"男の子"でアナフィラキシーショックを起こす今の自分と、"男の子"を内包し決死の覚悟を持つ自分。どちらもゾッとするが、後者の方がずっと楽だっただろうなと思う。

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