「アイがラブユーですね。」
「あっ間違えた好きが綺麗ですね。」
「違う違う」
「好きが嫌いですね。そうじゃなくて。」
「君のことが月だ!」
「えっと黄身が綺麗ですね。月見蕎麦的な意味で。」
「君が綺麗なんて言ってないですよ。そういう自意識過剰な誤解やめた方がいいですよ。」
「アイラブエッグ!アーユーエッグ?」
「あなたはハンプティダンプティのように綺麗です。あ、もしかして怒りました?」
「随分と遠回りしましたが、星が綺麗ですね。」
「そうですね。月が明るすぎて、星は見えませんね。」
「でもこの表現って必ずしも月が綺麗である必要はないと思うんですよ。日本人特有の直接的な表現を使わない美学というかそういうものがあれば十分だと思うんですね。だから星が綺麗ですねと述べたまでです。」
「そうでした、星は見えないのでした。詭弁も程々にします。癖が悪いですね。」
「しかしここまではぐらかした後にあのセリフを言うのはとても恥ずかしい気がします。」
「ここは間をとって...月がまんまる!おっきい!なんてのはどうでしょうか。」
「やっぱり、駄目ですよね。明日太陽を使ってリベンジします。ではおやすみなさい。今夜は月が綺麗なので良い夜を。」