男の子の再確認

 バーベキューで、当然のように火起こしを出来る人が嫌いだ。肉とかを焼いて子供達にトングでよそってあげる。溢れ出るその父性にげんなりしてしまう。僕もバーベキューで肉を焼きたい。椅子やテントの設営も腕まくりをして手際の良さを見せつけたい。でも男っぽい仕事を自信満々にやって愉悦を感じている様がどうも気に入らない。僕が演劇サークルに所属していたときも大道具とか舞台設営だけはやりたくなかった。工具を手際良く使ったり、力仕事をする時にバーベキューのときのお父さんと似た愉悦が発動する。上手いこと言語化出来ないのだけど気持ちが悪くて苦手だ。

 しかし、それは他人がその場にいるから起こるものであった。今週僕は、一人でキャンプに行った。焚き火台に薪を並べて火を起こしてみたり、手際は悪いけどテントを設営した。父性はないつもりだけど、こういうワイルドな作業は楽しい。僕は腐っても男の子だということだ。男の子を再確認するような作業の連続。肉を直火で焼いて塩だけで食べてみたりした。こういう愉悦を感じるためだけの作業を他人がいるところでやるのは気が引けるなと改めて思った。だってこっちは男の子を再確認にしているだけなのに、勝手に作業をやってくれたことに対する感謝が生まれる。大変おこがましい。僕はこれからも父性が焼いた肉を頂く人生にしていくと心に誓ったのである。



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