おしゃべらない人

 僕は小さい頃から口数が少ない。だからといって根暗で人と関わるのが嫌になっているという感じでもない。何かしらの話題を抱えているけど、周りの目が気になってそれを表に出すべきか常に悩んでいる。「おしゃべりな人」の対角線上の存在「おしゃべらない人」たる自分が心底好きじゃない。

 おしゃべらない人を擁護する声として、「自分が喋らなくても話を聴くのは上手いんだよ。」などというものがある。ただ本当は僕も気の赴くままに喋りたいのだ。僕の仲がいい友人、というか一緒にいて苦を感じにくい人は喋らせてくれる。彼らと会うたびに僕が普段如何に喋りたいけど喋っていないのかを痛感する。

 じゃあなんでお喋らないのかというと、相手につまらない人間だと思われたくないからだ。含蓄のある人間だと思われたい。相手と仲良くするとかはどうでもよくて僕に凄みを感じて欲しい。会話の中でそういう言葉を探しているうちに、タイミングを逃してしまう。結果本来僕のセリフが入るべきシーンで「...。」となる。たまにタイミングを逃してでも凄みゼリフを割り込むこともあるが、セリフが飛んだ役者みたいになる。

 女の子といるときはその傾向に拍車がかかる。凄みに加えて、カッコよく思われたいだとかお喋らない人に思われたくないだとか色んな方向の思惑が出てくる。それなのに実際考えていることといえば「〇〇ちゃんかわわ」といった含蓄もかけらもないことなのでセリフは「...。」となってしまう。そして最後の望みをかけて、少しアンニョイな表情を作って若干空に視線を向ける。オーバーヒートした脳内とクール気取りのおしゃべらない。こういうことをしている瞬間が本当に生きづらい。

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