aikoは女である
2023年の年明けくらいから私のSpotifyではaikoがよく流れている。はじめに聴いていたのはボーイフレンドだった。aikoの歌詞が笑ってしまうくらい理解出来ないのが面白かった。例えばこんなの。
唇噛んで指で触ってあなたとのキス確かめていたら
男はそんなことしない。そんなに恋愛に陶酔しきることなんてできない。おちんぽ触って貴女とのキスからの一連の行為を思い出すことはあっても、キスを確かめたりはしない。
まあそういう意味でaikoの曲に心惹かれたわけである。特に詩的に素晴らしいとかそういうことじゃなくて、aikoの女的感性が私に一切ないものだから異文化交流的意味合いで好きなのだ。恐らく恋愛をしている全女が薄っすら思っていることを恥ずかしげもなく堂々と歌い上げる。言うならば誇張し過ぎた女といった塩梅である。女を濃縮還元したらきっとaikoになる。
歌詞が女過ぎる故に女的な気持ち悪さと可愛さがドロドロに煮詰まっている。ボーイフレンドみたいな幸せど真ん中な曲もあれば、過去に思い耽ってもう訳わからない境地まで達しているものもある。昨年リリースのあかときリロードなんかひどいものである。
上書きするほど更新されないだってずっと好きなんだから 変わりたい変われないもっとちゃんとしたい でも今あなたを好きな自分も好きでいたい
40代後半のババアがよくも、こう女でいれるものである。かわいいじゃねぇか。不埒さを誇り、恋愛を大切にする。こういう女的な姿勢を短い言葉で感情のままに歌詞にするのは圧巻である。かわいいじゃねぇか。
私達がaikoから学ぶべきこと
aikoもとい女は気持ちが悪い。でもかわいい。ボーイフレンドの歌詞はもちろん謳われたら嬉しいだろう。そんな気持ちを爆発させているのを見るのでもかわいい。一方あかときリロードどうだろう。傍から見たらキモいし、謳われて五分五分といったところだ。
しかし私達はaikoもとい女を否定してはいけない。あなたをとのキス確かめる存在、引くほど恋愛を重要視する存在。それらは表裏一体でどちらのみでは存在し得ない。だからこそそれら全てをまとめて「かわいいじゃねぇか」と思う必要があるんじゃないだろうか。女は大なり小なりaiko薄めた存在と思ったほうが気が楽である。