現状の射殺事情について考える

   僕は今まで三人の女性に向けて銃を撃ったことがある。一回目は空砲で相手の女性を銃殺ごっこに付き合わせた。二回目は弾が入っていることは念入りに確認した。僕は遠距離からの狙撃を試みたが、持っている銃の射程距離は想像以上に短くてその銃弾は女性に届くことなく彼女の遥か前方に転がった。三回目は僕の銃の射程距離に合わせて僅か五メートルくらいの距離で発砲した。その時初めて女性に弾を命中させることが出来たが僕は銃を扱うのが下手で、五発の弾を全て急所から外し彼女を殺すことが出来なかった。血塗れの彼女を置いて僕はその場所を後にした。一回目の発砲から三回目までは三年間しか間が空いていないがその立て続けの射殺が未遂に終わったことは僕の自信を失わせるのに十分だった。いつまで経っても僕は女性を射殺出来ないのだ。

  僕には四人目の発砲相手がいる。もうそろそろ決行しても良い頃合いだと思っている。準備は万端だ。今度こそ殺せそうな気がする。弾が入っているか確認したし、五メートルくらいの距離に行ける気がするし、銃の扱いも勉強した。ただ一つ懸念点があるとすれば僕の目が見えなくなってしまったことだ。僕は彼女との間合いを図るが実際に今、どれくらいの位置に彼女が居るのかが目視出来ない。もしかしたら彼女は数キロメートル先に居るのかもしれないし、近づきすぎて銃口で彼女を貫いてしまっているのかもしれない。僕は適切な距離で適切な彼女の身体の部位を撃ち抜かねばならない。目の見えない僕には難しいけれども僕は撃ち抜きたいのだ、彼女の心臓を。僕は彼女を撃たなければいけないと直感的に感じる。彼女が避けるかどうかはこの際どうでも良いことなのだ。僕が適切に撃つことに意味がある。

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