アホな男子小学生に期待を寄せる話

 町中で見るからにアホな男子小学生に出会うと、にやけてしまう。鼻水を垂らして、よく分からない手遊びをしていたり、頻りに全力疾走をする。きっと「ちんこ」だとか「うんこ」だとか下ワードを発してゲラゲラ笑っているに違いない。僕みたいな大学生が持つ常識が全く通用しないのが彼らの悪い所でありいい所でもある。だけれども10年後の彼らの殆どが常識を身に着けて、常識的に勉強したり、常識的に働いたり、常識的に女の子に興味を持って常識的にデートに誘ったり、常識的な恋愛をして、常識的に性欲を爆発させて、常識的な幸せを享受することを考えるとなんだか寂しくなる。君たちのぶっ飛んだ思考が次第に笑い話にされてしまうのが21歳のおじさんからしたら凄く惜しいのである。私は随分と常識的に生きることに慣れてしまったからアホな男子小学生にはもう戻れない。そもそもこういうブログを書くという行為自体が常識的である。もし僕がアホな男子小学生であったら学校の黒板一面に記事を書いて朝の会が始まるとともに朗読をしていただろう。今の私にはそういった奇想天外さがない。

 

 だがアホな小学生の中にも今後を期待させてくれるような奴もいる。先日私が駅のホームで電車を待っていたときの話なのだが鼻水をたらして、あたりをキョロキョロと見回すいかにもな男の子が母親と電車を待っていた。彼の手には玩具の手錠があった。片方の手に手錠を付けてブレスレットのようにしている。この時点で私はこの子は相当アホだなと期待していたのだけれど、次の瞬間手を後ろに組んでもう片方の手にも手錠を付けだしたのだ。手が不自由になったことに驚いたのか彼は母親に「ママぁ、なんか動けない」と泣きだした。私はニヤケが止まらない。この子には期待ができる。

 

 あの男の子はどのように成長するのだろうか。私みたいに常識的なものを身に着けてしまいああいうアホな行動をしなくなってしまうのだろうか。恐らく今の学校教育の中でああいう性質が生き残っていくのは難しいだろう。きっと正されてしまう。しかしあの時の手錠で身動きが取れなくなった経験がどこかで彼を捻じ曲げて、常識的ではない性癖なんかに目覚めてくれたらそれはそれで私は嬉しい。そうなれば幾分か恋愛は常識的ではなくなるだろうし幸せの形も変わる。そういう潜在的な部分でアホな男子小学生の遺伝子が残ってくれれば私の本望だ。日本の未来は明るい。

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